2023.04.28
朝の連続テレビ小説「らんまん」「おまんはだれぞね」

朝の連続テレビ小説「らんまん」についてラジオ深夜便でお話ししました。

2023年4月11日(火) 日本列島くらしの便り  高知県日高村 安岡千春

きょうは、高知が産んだ植物学者の牧野富太郎さんの生涯を描いた NHKの朝の連続テレビ小説「らんまん」についてです。

「らんまん」は今月3日から始まりました。

去年8月ごろ、牧野さんの生涯が連続テレビ小説に決定したニュースは、高知県民みんなで喜びました。地元新聞には、毎日のように 「マキノ庭」と題して、高知にあるもの見落としているような牧野さんが名付けた植物が載るようになり、高知の中心部帯屋町のアーケードには大きな「らんまん」の“フラフ”、大きな旗がなびいています。今年のお花見、お隣の佐川町(さかわちょう)にある牧野公園はすごい人出で、高知市と繋ぐ国道が大渋滞になるほどでした。

牧野公園は明治35年、牧野富太郎さんが東京・染井で見つけたソメイヨシノの苗を地元に送り、有志が青源寺の土手などに苗を植えたことに始まる桜の名所で、日本さくら名所100選にも選ばれています。私も子供を連れてよく散歩に行きました。コロナ禍の行動制限が緩和された今年の花見は昔の花見としがってとても静かだったようです。何が違っていたかというと、公園の関係者が今年は酒に酔った人が大声で騒ぐことがなかったと言っていました。昔は花見=宴会=お酒だったのですが最近では少なくなっているようですね。

 

牧野富太郎さんは、江戸時代末期の1862年(文久2)3月、坂本龍馬が土佐藩を脱藩したそのわずか1か月後酒造業を営む裕福な商家に生まれました。植物を愛し人生をまっすぐ歩んだ植物学者で1957年に95歳で亡くなりました。私の母は1936年生まれですから、もしかしたら高知のどこかですれ違っていたかもしれません。

先日の新聞には、牧野さんの東京のおうちまでふるさとの中高生が病に伏せる博士をお見舞いに行った時の写真が載ってました。

この時、牧野さんのおうちを訪れた中高生のお二人は、82歳になる今も越知町(おちちょう)で元気に過ごしています。「植物を語る時は、とにかく楽しそう。僕らは子どもだったのに、まるで友達に話しかけるように話した」「枕元で葉っぱをいとおしむように触って。植物が好きで好きでたまらなかったんでしょうねえ」。まぶたに博士の姿が焼き付いている。と語っていました。

連続テレビ小説の主人公になる人に会ったことがあるなんて、そう遠くない昔の話のように感じ親近感がさらに増しました。

私たちの日高村にも 植物採取に来ていたようです。

ドラマの中では「おまんはだれぞね」という風に珍しい花を見つけると押し花にしてスケッチを取り調べつくす情熱はどこから来るのでしょう、もしかして新種?と思ったりするとワクワクしたことでしょうね。今では、携帯のアプリを植物に向けるとすぐ名前や特徴が分かります。とても便利ですが、ワクワク感はすぐ消えてしまいます。博士は、このワクワク感を人生最後の最後まで持ち続けることができてきっと幸せな人生だったと思います。いくつになっても変わらない好奇心を持ち続けることが長生きの秘訣なのかもしれませんね。

高知の書店は、牧野富太郎さんの本があふれ、飲食店では牧野さん関連の新しいメニューも出されました。また佐川町では、平日の昼間でも観光客が来てにぎやかで、障害者就労支援事業所が木工作業で牧野さんの植物をデザインしたコースターなどを作っています。

これほどまでに 地域に愛される富太郎さんは、佐川町で育った幼少期の野山のを駆け回りスケッチして回ったこの佐川町にきっと最後は帰ってきたかっただろうと思います。

牧野公園の整備をはじめ草花の世話なども地域のボランティアが手掛けています。牧野さんの植物を愛する熱い思いは今も地域住民の中に受け継がれています。

連続テレビ小説「らんまん」のこれからがとても楽しみですね。###「おまんはだれぞね」

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