2018.08.14
災害への備え

【ラジオ放送のアーカイブより】

ラジオ深夜便 2018年8月14日 高知県 安岡 千春

暦の上では秋、日中の暑さはマダマダ厳しいですが朝夕は秋の気配も感じる日が増えてきました。何より稲刈りが始まり、刈った後の田んぼの香りと、上を飛び交うトンボに秋を感じます。

今年は、集中豪雨で大変な災害に今なお家に帰れない方々もおいでるようでお見舞い申し上げます。

昔は、高知は台風銀座と言われたこともあり台風への備えや村民の心構えも出来ていたように思います。

日高村には、村の真ん中を流れる日下川がありその日下川が仁淀川に流れ出ているのですが、台風で仁淀川の水位が上がると仁淀川への出口にある日下川の水門が閉まるので水のはけ口が無くなり日高村にゲリラ豪雨があると浸水する、ため池状態の繰り返しでした。私が小学校のころは、浸水しやすい地域の土手には和船がありました。そのころは、大雨避難情報とかなかったので地域の人が学校に

「もうすぐつかる(道が浸水する)ので船が出ます。」

みたいな連絡で、そこの地域の友達は早く帰ることが出来ました。
また、地域のおじいちゃんたちは、この雨で水がこの辺まで増えると、たたみを挙げて家財道具を高いところに上げて浸水に備える。そんな経験からの知恵のようなものがあり、声を掛け合い、つかることが分かっていて生活している感じでした。

そんな浸水する村も今年、日下川放水路が3本目の工事に入っています。

1本目が昭和21年南海地震による対策で36年完成。

2本目が昭和50年台風11.12号の連続上陸による浸水被害を受け昭和57年完成。

そして、平成10年岡花調整池、平成23年馬越調整池完成で水害に強い村となった予定でしたが、26年の台風12号のためにトマト選果場光センサー設備も浸水し、莫大な被害となり30年に3本目の放水路着工、2年後の完成予定です。

 

今度こそ水害のない日高村になる予定です。57年あたりから浸水しなくなったので土手の和船も無くなり、「船が出るぞー!」の声掛けや、おじいちゃんたちの生活の知恵も引き継がれることなく、田舎の風景や人間関係も防災施策が進めば変わってきています。

異常気象も今後進み、益々予期しない状況になってくるかもしれません、そうなると人間の防災対策は通用しなくなってくるかも、人間らしい危険に対する本能や生活の知恵、地域の人のつながりは再確認していくことが必要ではないかと思っています。

防災訓練とかへ参加するのもいざと言うときの備えですが、まず自分が何を持って逃げなくてはいけないのか、何処に逃げるか?誰に声をかけるか又はかけてもらえるか?家族で約束をして置くことが安心にもつながるし、慌てないで自分の命を守ることが出来るのではないでしょうか?

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